昔の借金(ローンやクレジット等)の延滞を長年続けていると、突然、全く聞き覚えのない債権回収会社から請求される場合があります。
このようなことがあると、対応方法が分からず不安になってしまいます。
今回は、債権回収会社の基本的な知識から債権回収会社から督促された際の対処法を解説します。
債権回収会社から督促を受けても慌てずに対応することが重要です。
この情報を通じて、債権回収会社に対する理解を深め、自分自身の権利を守りながら最適な対応を考えるための参考になれば幸いです。
債権回収会社の基本的知識
債権回収会社とは
まず、前提として、債権回収業務は原則として、債権回収会社・弁護士・司法書士のみと定められています。
また、これら以外の業者が債権回収を業として行った場合、3年以下の懲役または300万円以下の罰金、あるいはその両方の刑罰を科されることになります。
次に、債権回収会社(サービサー)とは、法務大臣の許可を得た民間の債権管理回収専門業者であり、金融機関等から委託を受け、または譲り受けて、特定金銭債権の管理回収を行う会社です。
また、債権回収会社とは別に弁護士事務所が金融機関や債権回収会社等から委託を受けて債権回収する場合もあります。
債権回収会社と聞くと怖いイメージがありますが、債権回収会社は法務省の認可のもと、債権管理回収業に関する特別措置法(サービサー法)に従って、債権回収を業として行っていますので、違法な会社ではありません。
債権回収会社へ譲渡される流れ
最初はクレジットカード会社や銀行、消費者金融などで借入をして利用しています。
この借入を約束とおりに返済できれば問題ありませんが、約束とおりの返済ができず、支払いを延滞してしまうと、借入先の会社から督促を受けます。
それでも連絡を無視して支払いをしなかった場合や、携帯電話番号や住所の変更などにより、債権者が債務者の連絡先や所在を把握できない場合があります。
このように長期間未払いになっている貸付金が債権回収会社へ譲渡されることが多いです。
なお、延滞した時点ですぐに債権回収会社へ譲渡される場合もあります。
そして、債権回収会社より長年未払いだった借入れを督促されることになり、数年もしくは数十年ぶりに未払い金を請求されて驚いてしまう方が多いです。
このような請求が来た場合は、債権回収会社に連絡するのではなく、行政書士などの専門家に先に相談されることをお勧めします。
債権回収会社から請求受けたときのポイント
債権回収会社から請求書や督促状が送られてきたときは、まずは書類の内容から時効になっているかどうかを確認しましょう。
時効とは、長く継続した事実状態を法律上も尊重して法律関係の安定を図るための制度であり、民法上、取得時効と消滅時効という制度があります。
未払いの借金のことで請求された時でも、原則的に5年以上未払いの期間が続いているのであれば、時効を使ってこの請求されている借金を消滅させることができます。
なお、時効は5年の経過により自動的に発生するものではなく、時効により利益を受ける人からの意思表示により効果が確定することになります。
過去の未払料金の請求が来た時に、「これは時効じゃないのか。
」と考えてしまい、何もせずにそのままにしておくと、請求が止まらないだけではなく、裁判を起こされてしまうリスクが生じますので、請求書が届いた場合は内容を確認して対処することが重要です。
債権回収会社に関するよくある質問
債権回収会社から身に覚えがない請求が来た
身に覚えがない請求が来た場合は、書類の内容を確認してどのような請求であるかを理解しましょう。
また、請求書や督促状には、最初に利用した借入先の会社名が記載されていますが、合併や社名変更等により、最初に借りた時とは会社の名前が異なっている場合がありますので注意が必要です。
また、架空請求の可能性もあるため、詐欺ではないことを確認することも大切です。
ただ、請求書が送られた債権回収会に連絡してしまうと、時効期間が更新されてしまい、時効を使った解決ができなくなってしまうこともありますので注意が必要です。
なお、債権回収会社からの請求や督促を無視し続けた場合、自宅訪問されることや裁判を起こされてしまうこともあります。
そのため、身に覚えがない請求が来た場合でも無視せずにきちんとした対処をしましょう。
請求書や督促状の見方が分からない場合は行政書士などの専門家に相談することも有効な手段です。
債権回収会社に時効援用する方法は?
時効援用をするためには、相手方に時効援用することを伝える必要があります。
民法上、時効援用の意思表示をどのような方法で伝えるのかは決まっておりませんので、電話をして口頭で伝えても問題ありません。
しかし、口頭の意思表示ですと証拠が残らず、争いになった時に時効援用したことを証明することができません。
よって、多くの場合は内容証明郵便を使って書類により意思表示をしています。
内容証明郵便とは、郵便局が一般書留郵便物の内容を証明する郵便サービスであり、差出人・宛先・内容・差出日を証拠として残すことができます。
この内容証明郵便を使うためには、定められた書式を使って文章を作成する必要があります。
自分で作成するのが難しい場合は、行政書士などの専門家に依頼する方が確実に作成できます。
時効援用ができない場合は?
時効援用をしても、時効期間の更新などの理由により時効期間が不足しているため、時効が不成立となることがあります。
このように時効が不成立となった場合は、以下のいずれかの方法を検討しましょう。
○債権者と交渉して分割にて支払う。
○自己破産を検討する。
○時効期間が満了するまで待つ。
債権者との交渉や自己破産を進める場合、弁護士や司法書士に依頼すれば、代わりに対応してもらえるので、自身の負担が減るだけではなく、手続きがスムーズに進みます。
時効期間が満了するまで待つ場合は、その途中で債権者から裁判を起こされてしまうリスクがあります。
どのような方法を進めた方がいいのかが分からない時は、専門家へ相談しましょう。
まとめ
過去の未払いの借金のことで、数年経ってから債権回収会社より請求を受けていることが増えております。
このような請求を受けた場合でも、時効を使えば借金が消滅して支払い義務がなくなります。
但し、時効を成立させるには条件がありますので、その条件を理解して対処していくことが重要です。
時効を適切に行使するためには、まず自分の債務状況を確認し、時効の期間が過ぎていないかを判断することが必要です。
もし過去の借金のことで請求を受けた場合は、行政書士などの専門家の助けを借りて、冷静に対処することが成功のカギです。
時効の制度を理解し、行使する準備を進めていきましょう。
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この記事を書いた人
行政書士おおとり事務所代表行政書士 鳳山幸治

略歴
- 1976年(昭和51年)生まれ、大阪府出身
- 関西大学法学部法律学科卒業
- 2010年(平成22年)より大手司法書士事務所に勤務し、債務整理全般(特に自己破産、個人再生申立)の業務に携わる。
- 2019年(平成31年)より弁護士事務所に勤務し、債務整理全般の業務に携わる。
- 2023年(令和5年)行政書士おおとり事務所開業
資格
- 行政書士
- 宅地建物取引士
- 2級ファイナンシャル・プランニング技能士
ご挨拶
行政書士おおとり事務所、行政書士の鳳山幸治と申します。
10年以上、主に債務整理を取り扱っている事務所で働いていました。
その中では様々な悩みがあり、昔あった借金で苦しんでいる方も多くいらっしゃいました。このような悩みに寄り添って解決し、皆様の法律的なサポートをしていきたいと考えています。
行政書士では取り扱うことができないお悩みは、弁護士や司法書士、税理士、法テラス等、相談先を可能な限りご案内します。
初めてのことで緊張するかと思いますが、まずは皆様のお悩みやモヤモヤしているお気持ちをお聞かせください。
お話をゆっくり聞きながら、共に解決できる方法を考えていきましょう。
どのような些細なお悩みでも誠心誠意対応致します。まずはお気軽にご相談ください。
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